「朧月」発売インタビュー

「朧月」 インタビュー

インタビューした人 南郷
インタビューされた人 八槻翔

――さて、定番となってきた発売インタビューだけど

率直に言うけど、必要? 需要あるのかな。十人くらいしか目にしていないんじゃない(苦笑)。まあ、面倒なのは南郷だから別にいいんだけど。

――今回は短編集。『サイレントサード』以来、四ヶ月ぶりのKDP

うん。これこそKDP以外に受け皿がないタイプの作品。普通は書かないよ。だってどこにも発表できないし。需要もないし。

――なのに書いた理由は? 

特にない。書いたことないタイプの作品を書きたいというのは常日頃からあって、次になにを書くか考えている時間がもったいないからとりあえず書いてみるかと。

――今回は表紙をシンプルに

今は表紙に凝っている方が多い印象だから、ちょっと違うテイストの方がと思って。タイトルなしのイラストだけでもいいんじゃないかとずっと思っていて、電子書籍なら。その逆もありなんじゃないかなと。タイトルだけで。というか、お金をかけるような作品じゃないし。そこが一番だよ。無駄になるのはせめて時間だけにしたいという思いがあったから。つまりは、売れ線を書くという意識がなかったし、売れなくてもいいと思って書いていた。

――今回は、初めて、無料キャンペーンをしないことになったけど、それはそれが理由?

そういうわけでもないけど。無料キャンペーンの効果は分かっているよ。一目瞭然。特に新規出版時はね。でも、無料で配布するのもそろそろいいんじゃないかと。誰にでも見てもらいたい作品ではないというのもちょっとはあるかな。

――趣味で書いた作品と言うこと?

うーん。それは違う。新たな可能性を探して――って感じ。作家としての、ちょっと停滞感が気になっている。KDPに挑戦してよかったとは思っている。プライムリーディングに選ばれたことや「天空城殺人事件」は書籍化のお話も来たし。でもそろそろね、先に進みたい。このままじゃ終われないというか、やるせない。なんだかんだ、売れっ子作家を目指して十年も書いている。自分が書いた作品が本になるというのを目標にしたことはない。売れっ子作家になりたい。だから、KDPをメインに据えても、それだけをやるというのはちょっとズレているなと感じてきている。どんなに売り上げがあってもね。社会的にも認められたいという感じかな。俺は小説家ですと胸を張って言いたい。極論を言えば、出版社に跳ね返された作品をKDPに上梓するって感じで行きたいわけ。そういうことで、ライトノベルでもなくミステリでもない自分の可能性というかそういうのをちょっと見てみたかったという感じかな。自分でもよく分からない。『路地裏の王』とか『クロスドミナンス』とかは、なんで書いているんだろうって思ってた(笑)。だから、『インダストリアル』は中止した。いい出来だと思うし、南郷も一話に持ってきたがっていたから、ちょっと別に回そうと。KDP以外に、ライン文庫とかでもいいし、新人賞でもいいし、とにかく長編にしてチャレンジしてみたいと。ダメだったら、KDPに出してもいいし、パソコンに眠らせてもいい。――質問はなんだったっけ?
(※南郷も質問が分からなくなる)

ーー確かに新しい面が見えたかなと思う。

七編の中で、こういうのが好き、という声があればそれを真に受けるかもね。その方はマイノリティかもしれないのに。

――そういえば、DMでファンレター的なものをいただきました。

珍しい。ありがとうございます。二回目かな?

――すでに転送しているけど、その文面の中で南郷はちょっと気になった文言が。「文章が上手い」とあったけど、本人的にはどう思っている?

さあ。ありがたいとは思うけど。社交辞令だとしてもそれは嬉しいよ。でも、文章なんて気にしたことがないし。下手くそでなければいいと思っている。仮に平均点以下の文章力といわれても、「そうですね」と答えるよ。

――文章の優先順位は低いということ? では、もっとも重要度が高いと思っているのは?

キャラクター。八割くらいのエネルギーはそこに注ぎ込みたい。後の要素は気にしない。そういえば、構成がいいって昔、新人賞の返しでよく言われたんだけど、正直ピンとこなかった。プロットも書かない人間の構成がいいわけないからね。肝心のキャラクターはあまり褒められた記憶がない。

――新人賞の返しというのは?

ライトノベルだけなのかな。今は知らないけど、キャラ、文章、構成、時代性とかの項目で採点されて、編集者コメントがついてかえってくる。これを参考にして精進してください的な。それによく書かれていたのが、構成がしっかりしているだったかな。正直あんまり覚えてはいないんだけど。短編集のおまけにつけた『チェックメイト!』は確かそういう評価だったと思う。視点は変えるな! みたいなことも書かれたような……。おそらく『朧月』の収録作じゃない別の連作の話。三話で主人公が完全に蚊帳の外という話を書いたから。最近、読み返したけど、確かにひどかった。

――次回作は?

未定。KDPでは未定。まずはライン文庫かな。始まったばかりだし、もしかしたらチャンスがあるかもしれない。それから、どこかの新人賞にも。ライトノベルやミステリでなくてもいいかなとは思ってる。というか、ライトノベルはもう無理。最近のは何も知らないし、ひどいことに興味がない。もう五、六年は読んでいない。アニメも見てない。私の中のブームは2008年の一年だけだった。

――最後にひとこと。

いつもありがとうございます。八槻翔です。ひょんなことから、短編集を発売することになりました。うーん……、読んでくださいとなかなか言いにくい作品です。余裕があるときにダウンロードしていただけたら。








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